経鼻生ワクチン・フルミストについて
フルミスト
フルミストは経鼻によるスプレー型のワクチンです。霧状の液体を直接両鼻に噴霧します。注射ワクチンではありません!
以前より、欧米では認可されておりましたが、2024に日本で認可され販売が開始されました。当院でも2024年より開始いたします。
フルミストの特徴
- 鼻から噴霧するワクチンであり、注射の痛みがありません。
- 両鼻に0.1ccずつ噴霧します。
- 2歳から19歳未満の方のみ使用できます。
- 米国では2003年、欧州では2011年より使用されていました。
- 効果は1シーズン(6ヶ月~12ヶ月)との報告があります。
注射ワクチンとの違い
- どの年齢の方も1回の接種で終了となります。
- 効果について現時点で注射ワクチンとの直接比較はありません。
- 初年度であり生産量も少なく、もともとの単価が高いため、価格が高くなっております(フルミスト:8800円 注射ワクチン:1回3500円・2回で6000円)
注意点
- 生ワクチンであり、弱毒化したインフルエンザウイルスに感染した状態となりますので、接種後に鼻水・鼻づまり(59%)、咳嗽(27%)、頭痛(11%)、発熱(5%)などが現れることがあります。頻度は低いものの、インフルエンザそのものに罹患したのと同様の症状になることがあります(1.8%)。まれにアナフィラキシーなどの重大な副作用が現れることもあります。
- 副反応の%は国内第Ⅲ相試験内の数値です。同試験内でアナフィラキシーの報告はありませんでした。アナフィラキシーに関しては注射剤も同様の記載があります。
- 喘息のコントロールが不良の方、アスピリン内服中の方(川崎病など)、免疫抑制状態の方、48時間以内にインフルエンザ治療をした方、慢性疾患(心疾患、腎疾患、肝疾患、血液疾患など)の方は接種できません。また当日、鼻水や鼻閉が強い方は接種できません。
- 鶏卵アレルギーがあっても、基本的には問題ありません。重症鶏卵アレルギー(完全除去中)の方は反応する可能性がるので、事前にお伝えください(これは注射ワクチンも同様です)。
- 接種後2週間は重度の免疫不全者との接触を控えて下さい。
- 他のワクチンと同時接種可能です。生ワクチンですので前後4週間は他の生ワクチン(MR・水痘・おたふくなど)の接種は避けましょう。